【大人のキス】
【大人のキス】
『ね………カガリ………』
今日は遊びに来たミリアリアとラクスとでお茶会をしていた。
いつものように………夕御飯はアスラン含めて………その後からのお菓子パーティーだけど。
お手洗いに………席を外したラクスが部屋から出ていくと、ミリアリアが尋ねてきた。
『ザラくんって………いつもあんな感じなの?』
『ぇ………あんな感じって………』
ミリアリアの言葉の意味がわからず、思わず反芻する。
『………アークエンジェルにいるときは、もっと………緊張感………かな?
あった感じがして………』
『………そうかぁ?』
思わず誤魔化したけど………
………それは………
私もアスランに感じていたひとつだった。
キラが………さまざまなショックを受けて、寡黙になってしまったのは理解出来ていた。
でも………アスランのは………
周りの環境に溶け込もうとしても、否応なく浮いてくるのだ。
それは本人も自覚があるのか………人前に出ようとしない。
ナチュラルの中で生活することに慣れていないから………そう、ヒトは揶揄するけれど………
そう………ではない。
キラ同様………高い能力を身につけたアスランは………
立ち振舞いからもしかり………
ちょっとした動作でも………目立ってしまうのだ。
.
『カガリ………どうにかしてあげなよ』
………ディアッカの友達の銀髪つり目野郎に掛け合って………
プラントの仕事をオーブに発注させて、そこでザラくん働かせたり………とか
適当なことを言うミリアリア。
アスランは………何を欲しているのだろう。
わからない。
でも………
でも、私はアスランと共にいたくて………
………わたし……が……
アスランから自由を奪って………
『ね………ミリアリア………』
『なに?』
『ディアッカと、いつも何してるんだ?』
『!?何………って………』
ミリアリアが口を開きかけた時………
『ただいまですわ』
ラクスが戻ってきた。
.
………私は………
アスランを閉じ込めちゃっているのかな?
私の肩を揉んでくれたり、送迎したりしてくれるアスラン。
『ね………アスラン………』
ソファーに座って本を読む彼の背後に近付き、後ろから抱きつく。
彼の胸に落とした私の手に………彼の熱が少しだけ伝わる。
『どうしたのカガリ………』
新緑の揺れる木立を思い出させるような………翠の瞳は柔らかく………
私をいつもどきまぎさせる。
『キス………していい?』
『いいよ………』
………私からしたいのに………
頭を傾けたアスランは、私の唇にそっと触れる。
柔らかな感触………
ためらうような………優しい………キス。
私は………違うキス………したいのに………
………ミリアリア………
私、まだ………させてもらえないよ………
………私からの………
大人のキス
アスランを私につなげ止めておくには………どうすればいいの?
20101230-209【大人のキス】
【編集後記】
https://ath.tokyo/blog/i-will-be-by-my-side/
https://ath.tokyo/blog/brand-new/
20180320ねじ
⇒絶賛!!告白中!!
学生パロディ。カガリがドーナッツ屋さんで勉強していると声をかけてくる人物が。
⇒Black or Whiteシリーズ|かがりinくるーぜ隊シリーズ
各シリーズをまとめたリンク集です。気になるお話は見つかるでしょうか。
⇒刻の中のLANDSCAPE
血のバレンタインが起こった2月14日。プラントを公式訪問するカガリ。
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