2次小説

Daydream Bliever

 

はじめに………

 

ひとつの愛し方として………

 

ロック学園校長に捧げます

 

 

【Daydream Bliever】

 

 

 

 

 

 

 

 

カーネーションの花が店頭に並ぶと思い出す。

 

………そう………あの時も………4人だった………

 

いつの間にか立ち止まってしまったアスランは、双子の姉弟に呼ばれて我に返る。

 

『『!!!置いてくよ!!!』』

『え!!!あ………』

軽く駆けて追い付く。

『予約したディナーの時間に間に合わなくなるぞ』

口を尖らしたカガリの肩を抱いてごめんと笑って謝る。

 

『……カーネーション……ですか?アスラン?』

カガリの隣を歩くラクスが問い掛けてくる。

 

『………うん……』

頷くアスランに、カガリが疑問たっぷりな瞳を向ける。

『カーネーションがどうかしたのか?』

『なんでもないよ……』

カガリの額に軽く口付けて、微笑むアスラン。

ラクスと瞳が合うと、少し寂しい色を浮かべる彼女がいる。

アスランはラクスに笑いかけ、告げた。

『キラが遅いってわめくぞ』

 

 

 

 

 

 

『こら……よさんかレノア……』

『何照れているのよ、あなた』

 

『………子供のいる前で……』

父上と腕を組む母上は……いつも以上にご機嫌で………後ろを歩く僕の顔を真っ赤にした。

隣を歩くラクスは目をキラキラさせて………やはり頬を赤くして歩いていた。

 

久しぶりの父上の休暇………母上はここぞとばかりに日頃出来ないお気に入りのお店でのディナーを予約した。

『ラクスちゃんももちろんくるわよね?』

先日、婚姻統制で婚約したクライン議長の愛娘のラクスも、母上は誘う。

『だって、私の娘なんだもの』

 

『………母上』

 

………彼女の分刻みの仕事の予定を知ってか知らずか……かなりな我儘を婚約者に強要しているのではないかと、焦るアスランであった。

 

 

 

 

 

 

『まぁ………こちらのお色……』

『え?』

『綺麗な緑色のカーネーションですわ………』

花びらの縁がピンク色のそれは、明らかに品種改良の結果生まれたもの。

『お母様に贈られたのですか?』
母の日が近いことを知っているラクスは問う。

『え?いや……まだ……』

アスランの返事を聞いてか聞かないでか……ラクスは店主に話しかけ………カスミソウとカーネーションの花束を抱えて出てきた。

『お母様に渡していただけますか?アスラン?』

 

『………あなたが渡した方がいい……。君の方が……その……花が似合う…から…』

ラクスから徐々に目を逸らすのと同時に赤くなるアスラン。

その言葉に目を丸くしたラクスはにっこり笑う。

『そうさせていただきますわ』

 

『……鞄……持つよ』

アスランはラクスの鞄を受け取り、右手に持つ。

 

『………』

 

ぎこちなく、左手を伸ばし、ラクスの右手をつなぐ。

耳まで赤くしたアスランの決死の行動に、ラクスは幸せの笑みをこぼした。

 

 

 

 

 

『私も………欲しいな』

コース料理の最後のデザートプレートを楽しみながら、レノアの言葉に一同凍り付く。

『だって……アスランも手が離れちゃったし……アスランとラクスちゃんのお子さまが出来たらおばあちゃんになっちゃうんだもの。その前に、女の子が欲しいな』

カットフルーツにカスタードソースをつけながら、レノアは語る。

 

『………
フルーツワインに手を伸ばしながら、しかめっ面なパトリックはたしなめる。

 

『………アスラン育てる時よりは平和になったんだもの。いいじゃない?アスランもお兄ちゃんになってみない?』

 

 

言い切ってフルーツを口に入れるレノア。

『え?……』
冗談かと思っていたアスランは、どうやら母親が本気の様相なので、どう答えるべきか窮する。

ラクスは………おばあちゃん発言で赤くした頬をなんとか冷まそうと努力していた。

 

『……アスランの時は、あなたのリクエスト通りだったんだから、今度は私のリクエスト聞いてもらうわょ??』

正面に座る夫に威勢よく告げるレノア。

 

 

 

 

 

パトリックの隣に座るアスランは、成り行きを見定めようと、黙ってフルーツを口に運ぶ。

 

しばらく沈黙が流れ……フォークとナイフの音が目立ち出した頃、軽いため息と共に、パトリックは口を開く。

 

『………瞳の色だけは駄目だ。お前と…アスランと同じ色だ』

『じゃ、髪の色はアッシュグレイよ、あなたの髪の色!!!』

嬉しそうに話しだすレノアに、パトリックは微笑み返す。

 

『………仕方ないな』

『え?………本当に妹……作るの?』

目を大きく開いたアスランは……思わず、声が裏返る。

『お母様おめでとうございます!!!』

レノアの隣に座るラクスは手を叩いて喜ぶ。

『ありがとうラクスちゃん!!!ずっと欲しかったの、女の子!!!』

テーブルの向こうで喜ぶ女性陣に、アスランは口を開けて眺めている。

 

………母上の欲しかったものって…………

 

思わず隣の父親に目を移すと………満足そうな笑みを浮かべてワインを煽っていた………

 

 

 

 

 

 

久しぶりの外食を4人で楽しむ。

『何……悩んでるんだ?………』

隣に座るカガリが持つメニュー表を覗き込むアスラン。

『メインをどっちにしようかと………』

予想通りの答えに、アスランは目を細める。

『2つ選びなよ……二人で半分ずつ食べればいいだろう?』

『え?………あ……うん…』

後味の悪い返答に、アスランはカガリの瞳を見つめる。

『行儀……悪くないかな?』

アスランは笑って返事をする。

『正装の店じゃないんだから………俺はいいと思うけど………』

『う………ん』

『決まった?カガリ?アスラン?』

テーブルの向かいに座ったキラが声をかける。

『え!?……あ………うん』

カガリは顔を赤くしながらメニュー表に顔を突き合わせた。

 

 

キラもラクスも同じ魚料理でまとめたのに対し、アスランの前には肉料理、カガリの前には魚料理が並ぶ。

フォアグラの乗ったヒレステーキを一口大に切り分けたアスランは、カガリが取り分けてくれたスズキを口に入れる。

濃いバジルソースが口に広がる。

 

『アスラン!!!お肉美味しい!!!』
カガリが上機嫌で話す。

『え”ぇ”………』
キラが悲しそうな声を出す。

それを見てくすりと笑うラクス。

 

『キラも食べればいいじゃないか……ラクスも……』
アスランは、メインプレートをテーブルのセンターに置き直す。

 

『本当だ!!!フォアグラ美味しい』

 

三人の喜ぶ顔を酒の肴にして、赤ワインを煽るアスランだった。

 

 

 

 

 

双子が会計を済ませている間、アスランの隣にいたラクスが話し出す。

 

『……アスランは……あの時……兄妹欲しいと思いましたか?』

 

『……思っていたよ』

ラクスに微笑み返す。

『溺愛しそうですね』

『………そうかな?』
少し照れたアスランは………前髪をくしゃっとあげる。

『なりますわよ……絶対』
………だって……今のあなたは……まるで面倒見のいいお兄さんなポジションに落ち着いてますもの………

 

笑ってアスランを見つめていると………急に弾かれたように真面目な顔になる。

『………そういえば、ラクス………あの時の父上と母上の会話覚えてる?』

『はい?』

『俺………母上のおばあちゃん発言から記憶が飛んでて………』

 

丸かった瞳が細まり、ラクスは笑いだす。

『あなたらしいですわ!!!』

 

 

fin.
20090514

 

 

 

 

 

 


 

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ちょうど………清志郎さんが亡くなられて1ヶ月経ちました………

 

このお話のベースは平衡定数の時から考えてはいましたが………

 

『愛し合ってるか~い』

 

って声が聞こえてきた気がしたので………書いてみました。

ま………平衡定数の付箋にはなりますが………

楽しんでいただけてたら……ありがたいです。

 

200906
ねじ

 

 

【追記】

 

清志郎さんの命日の日に投稿することにしました。

Daydream Bliever

 

いつまでも大好きな曲のひとつです。

 

20180314ねじ

 

心が疲れている方へのアスカガ
 

絶賛!!告白中!!
学生パロディ。カガリがドーナッツ屋さんで勉強していると声をかけてくる人物が。

 

Black or Whiteシリーズ|かがりinくるーぜ隊シリーズ
各シリーズをまとめたリンク集です。気になるお話は見つかるでしょうか。
 

刻の中のLANDSCAPE
血のバレンタインが起こった2月14日。プラントを公式訪問するカガリ。
 

 


 

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