運命後,捏造,

mimosa

 

 

【mimosa】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………キラの用事はなんだったんだ?』

 

『?何も言ってなかったね?』

 

鏡とにらめっこしながら彼女は答えた。

 

思わず肩から溜息をついて、俺はベッドに入った。

 

温もりの残っていたはずなのに…………宇宙からの連絡は体に温かさを更に生み出してはくれなかった。

 

 

.

 

 

 

翌日………

 

 

アスランの手によってスタイリングされたカガリは執務室の前室で唖然とした。

 

『少し待たせていただきましたわ』

 

にっこり笑ったプラントの議長と、眉間にシワが刻まれた白服軍人がソファーに座っていた。

 

『へ………』

 

連絡があった時はまだプラントだったはずじゃ………と言いたいのに、白服のキラは有無を言わさず、両手で顔を挟み込んだ。

 

 

『………よく見るとわかるよ、キスマーク』

 

『!!!!!き……!!!』
顔が熱くなる。

 

『ホントに君たちは何をしてるわけ?』

 

 

.

 

 

 

『私は不可抗力だ!!!』

 

『じゃ、アスランを怒れば言い訳?』

 

『!!!……い……いや……私にも問題は…………』
しどろもどろになる。

 

キラが怒るのは珍しかった。

 

あのバイクの事故以来………。

 

 

『キラ………』

 

ラクスが優しく呼び掛けると、キラは少しおとなしくなる。

 

『カガリさん………今日はご相談に来たのですわ』

 

『……相談?……先日の条約改定案は首長会で通しちゃったぞ?』

 

『プライベートのご相談ですわ』

 

 

.

 

 

にっこり笑うラクス。

 

『あ……アスランはまだオーブに必要なんだ……だから……』

 

『……誰もそんなこと言ってないでしょ?』
………確かに何回もアスランを借りたけど………半死半生にも………させたし………

 

キラは不貞腐れた。

 

その様子を見て、くすくす笑うラクス。

 

『カガリさん………』
………そろそろ結婚しませんか?

 

 

.

 

 

『…………へ………』

 

 

………アスランが連れ戻されることばかり頭にあったので………

 

………まさか………そんな話しになるとは思わなかった。

 

『私とキラが結婚するにしても、プラントの人々の中で、未だに婚約者がアスランと思っているヒトもまだいらっしゃいまして………』

 

『だから、アスランとラクスの婚約破棄会見と僕とラクス、カガリとアスランの婚約会見、一緒にやりたいんだけど………』

 

機嫌のよくなったキラは言う。

 

 

『私は………いい考えだと思うぞ!!!』

にっこり笑えて応じる。

 

『じゃ、アスラン呼んでくるよ!!!』

 

ポケットから携帯電話を取り出して、リダイヤルしようとするに手が止められる。

 

『アスランには言わないで、カガリ』

 

 

.

 

 

『なんで?だって当人じゃないか?』

 

キラはカガリの頬を指で挟む。

 

『これの仕返し』

 

『痛いって、キラ』
確実にあの跡をつねってる。

 

『アスランは当日に居ればいいんだし………』

 

『あとはカガリさんが首長の方々をいつまでに説得できるかだけですから………』

 

『………う……うん』

 

『アスランの功績が必要なら、いつでもデータ送るから』

 

『………え……あ……うん』
………なんか………喜ぶべきなのか……慌てるべきなのか………焦るべきなのか………

 

 

ひとつ気付いたことがあって恐る恐る口にする。

 

『いつ……会見開きたいんだ?』

 

キラとラクスは顔を見合わせてから答える。

 

『『メサイア停戦協定締結日まで』』

 

 

………あと………何週間だ???

 

 

.

 

 

 

『……………』

 

最近、カガリはバタバタしている。

 

軍司令部に通達がこないから、何をしているのかよくわからないけれど………。

 

先日、夜勤が終わって、昼勤務になったのに………。

眠たそうな目をした彼女を抱く気にはなれなくて……

でも、触れていたくて、抱き締めて寝る。

 

 

………俺を取り戻してくれた、貴方が愛しいから………

 

 

.

 

 

耳元で震える携帯バイブ音に目を覚ます。

 

翠の瞳はまだ閉じたまま………

 

昔は………私よりも早く起きていたのに………体質が変わったの?

 

………それとも、甘え?

 

頬に……おでこに……瞼……鼻の頭………最後に唇にキスをする。

 

……起きて?』

 

眉がぴくっと動く。

 

もう一度、唇に………

 

睫毛が揺れ、ゆっくりと現れるいとおしい翠の瞳。

 

『カガリ……』

 

『おはよう……アスラン』

 

 

今日はアスランに内緒で頑張って準備してきた日。

 

 

.

 

 

 

予め、軍の上層部には話をして、アスランには言わないように徹底させておいた。

 

何故か、皆、にこにこして………

 

『カガリ様のためなら』
と口々に述べた。

 

 

『確かに、私もお前達の上官だが、アスランも上官なんだぞ』

 

少し膨れた顔で話すカガリに、ソガはにこやかに話す。

 

『ザラ准将の努力を見てきましたから………』

 

『事故の後は動かない身体に苛立っている姿も多かったですが………絶対に誰にも頼ることなくまとめてましたからね』

 

アマギも口添えする。

 

『以前みたいに、もっと崩れた顔が見たいんですよ、准将の』

 

『……マキノ……それは私だけのものだぞ』

 

わざとらしく拗ねてカガリは話し、皆の明るさを引き立てるのだった。

 

 

.

 

 

 

『世界中をびっくりさせてしまいましょうね』

 

ストライクフリーダムからキラと共に降りてきたラクスはいつになく楽しそうで……。

 

キラも、後から起こることを考えているのかご機嫌だった。

 

『カガリさん、似合いそうなドレス、持って来ちゃいましたの』

 

『……ペアルックじゃないよね、ラクス』

 

『色違いですわ!!!』

 

思わず、キラの顔を見る。

 

『合同会見なんだし、着てみたら?』

 

『………』

 

やっぱり、遊ばれてると思ったカガリだった………。

 

 

.

 

 

 

『准将!!!』

 

『なにか?』

 

人工の光に照らされた執務室のキーボードを叩いていたアスランは顔を上げる。

 

『すみません、代表が捺印を押し忘れてしまったようで、書類が回らないのです。』

 

『ちょっと待って頂けますか?』

 

 

………以前のスピードなら終わっていたんだけど………

 

いつも、5秒の入力の差に泣く。

 

誰も気にしないけど………

 

 

俺だけが気にする事故の後遺症………

 

 

.

 

 

 

『………どうぞ、書類を…』

 

机の上から手を伸ばし書類を受け取る。

 

腕捲りをしていたシャツの袖の隙間から薄い傷痕が見え隠れした。

 

『………今、必要な書類だよね?』
………これが回らなきゃ、軍備の計上が出来ないものなぁ………

 

シャツの袖を伸ばしながらマキノに尋ねる。

 

『……お手数かけます。』

 

『代表にも確認するように話しておくよ、君が気を揉むことはない』

 

ネクタイを締め直し、ハンガーにかけておいた制服を着る。

 

『捺印もらったら直ぐに渡します』

 

『ありがとうございます』

 

マキノは深々と頭を下げた。

 

 

.

 

 

『………?』

 

今日は首長会って言っていたはずなのだが………

 

いつもの会議室には誰もいなくて。

 

早めの昼食にでもしたんだろうか?

 

アスランの足は会議中によく利用される、サンルームに足を向けた。

 

 

.

 

 

『………な………』

 

なんでドレス姿?

 

なんでキラ?

 

なんでラクス?

 

 

室内からのサンルームへの扉は、何故か鍵がしまっていたため、外に回ってガラスの扉を開けたのだ。

 

薄いレースカーテン越しだったので、疑心暗鬼に捉われながら開いた扉。

 

開いた途端に、雨のようなシャッター音が鳴り響く。

 

 

『………』

 

呆然とする俺の顔を、シルクの手袋の感触が走る。

 

おぉ………

 

騒めきと、再度響くフラッシュ音に何が起こったのかわからない………

 

『おはよう……アスラン』

 

『……え……あ……おはよう?』

 

条件反射で挨拶した俺の隣で、ラクスが口を開いた。

 

『それでは、今から…』
…私ラクス・クラインとアスラン・ザラの婚約破棄会見、並びに、私とキラ・ヤマト、カガリ・ユラ・アスハとアスラン・ザラとの共同婚約会見を発表させて戴きます…………

 

 

………今………なんて?

 

いつの間にか右腕にカガリの腕が絡んでて………

 

自分のことなのに他人のことのような感覚で………

 

残された唇への感触と共に、俺はその場に立っていた………。

 

 

.

 

 

 

『久々に大笑いできたぞ、アスラン』

 

『………言ってろ』

イザークからの祝電に不貞腐れる。

 

 

………全世界に流されるなんて………

 

会見開始前のカガリからのキスシーンが、全ての紙面を賑わせている。

 

鳩が豆鉄砲くらったような表情の俺………

 

………曰く付きな翠の瞳………

 

モニターの端からシャンパンをグラスについだディアッカが入ってくる。

 

『シンなんて顔を真っ赤にして笑ってたよ………』

にやにやしながら、イザークにグラスを渡す。

 

 

『新しい時代に』

 

イザークがグラスを上げる。

 

『プラントとオーブの未来に』

 

ディアッカもグラスを上げ、ウィンクしてくる。

 

 

………言わなきゃいけないのか………

 

俺は笑って、モニターを軽くノックする。

 

『俺とカガリの未来に』

 

 

………サリュート!!!!!…………

 

 

fin.

 

 

鼻の下、伸びてんぞ、アスラン………

 

!!!うるさい、イザーク!!!お前も全世界に流してやる!!!

 

俺はそこまで派手なことキライでな!!!

 

 

………よくやるよ………

 

 

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【編集後記】

 

main(サイト内分類目次っぽいもの) こちらはガンヲタnejiがお届けする簡単節約とヲタク生活をすすめるサイトとなります。 メインで更新を行うページは呼吸するよ...

 

3月8日ってミモザの日なんですね。

3月8日は出逢い記念日としか認識していなかったのですが・・・

 

ついったで流れてきたはな言葉さんの言葉を引用させていただきます。

 

国際女性デーでもありますが、イタリアでは男性が日頃の感謝の気持ちを込めて、妻や恋人、身近な女性にミモザの花を贈る習慣があるそうです。

 

 

春の訪れを告げる花。

ミモザの花言葉は「思いやり」

 

 

来年はミモザを贈るアスランのお話を作ってみたいな。

(更新していれば・・・だけど。)

ちなみにミモザ・・・
春の花ですから、一年中楽しみたいと思ったら、こちらのようなハーバリウムボトルに入っているミモザがよろしいかと。

 

 

行間が・・・行間が・・・

空きまくってて文字で埋め尽くしたい気持ちが満載なのですが、この時は行間に説明を省くことを目標として書いていたので、会話文が中心となっています。

行間はあくまでも読み手の想像に任せようとしていたのですが・・・

 

 

時代によって書く雰囲気や使う言葉もやはり違いますね。

 

 

 

20180309ねじ

 

 

 

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