2次小説

ぱーふぇくと・くりみなる02

 

 

【ぱーふぇくと・くりみなる02】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

ある国の古い言い伝えによると、サンタクロースは双子だと言われている………らしい。

 

みんなのよく知っている聖ニコラウスがサンタクロースの直接のモデルであるということは、だれもが知っていること。

 

『聖ニコラウス』の呼び名が『シンタクラース』となり、『サンタクロース』と伝えられたそうな。

 

もうひとりのサンタクロースの名前は『ジェドマロース(ファーザーフロスト)』。

 

ジェドマロースは青や灰色の長いコートを着ており、毛皮帽子に長いあごひげで杖を持っている。

 

色違いのサンタクロースだ。

 

なかなかシックである。

 

でも………ジェドマロースは、『邪悪で容赦のない魔法使い』として、冬の神の象徴なのだ。

 

子供たちを巨大な袋で連れ去り、子供を連れ戻すためにはマロースに供物(プレゼント)をしなければいけないと言い伝えられている。

 

サンタと真逆である。

 

 

………そんなところで………

 

じゃんけん三回戦の決着はついたようである。

 

 

 

.

 

 

 

 

『勝った!!!』

 

にぱっと笑ったかがりは、自分が入りそうなほどの大きな袋を用意した。

 

『あすらん、ミラージュコロイドの準備頼んだぞ!!!』

 

『うん!!!かがり!!!』

 

あすらんもご機嫌だ。

 

だって………かがりが赤いサンタなんだもん。

 

『また………今年も青のサンタですわ………』

 

『うん。そうだね、らくす』

 

きらはにこにこして言う。

 

らくすは何を着ても似合うから………きらはご機嫌なのだ。

 

『今年はもう、選別してあるから………らくすは楽じゃない』

 

きらは、らくす用の大きな袋を持ち出した。

 

『………去年よりも大きいですわ』

 

『そう?ボクも手伝うからさ、らくす』

 

 

 

.

 

 

 

ミラージュコロイドを展開させたそりに乗り込む。

 

夕飯はおかわりして食べたし、ベッドの中にはばれないようにくまのぬいぐるみを仕込んできた。

 

手強いいたずら三兄弟は………今日はまりゅと一緒だから………

 

『さぁ!!!どんどんプレゼントを配るぞ!!!』

 

かがりのはりきり声に、みんなもこころを弾ませる。

 

『今年は………ミラージュコロイド改良したから、25日になれば、塗装は取れてプレゼントの包装にかわるはずだよ』

 

ふぁ………と、あくびをひとつしてかがりに話すあすらん。

 

『去年は………23日に塗装、剥がれたプレゼントがあったんだよね?』

 

『うん………ちょうど、そのこの誕生日の日だったから………怪しまれずにすんだけど………』

 

『今年は………何もおこらなければよいですわね』

 

『うん!!!まずは、南半球から配ろう!!!』

 

よにんの小さなサンタクロースは………一年に一度のお仕事を始めるのでした。

 

 

.

 

 

 

『………まま』

 

すてらはまりゅのふくよかな胸を触りながら船を漕ぎだす。

 

『すてらは売られちゃうの?』

 

『すてぃんぐ………』

 

『あうると一緒だから………大丈夫だよ、おれは。
でも………すてらが………』

 

『そんなこと………させないわ』

 

まりゅはすてぃんぐとあうるを引き寄せる。

 

『ままも、ぱぱも………頑張っているから………』

 

『うん』

 

すてぃんぐは安心して、まりゅに抱きつく。

 

『ぱぱは、今、どこなの?』

 

『今ごろは………砂漠かしら?』

 

『砂漠?それってどこ?』

 

あうるは瞳をきらきらさせる。

 

『ずっと………東の方に行くのよ』

 

『東って………おひさまの昇る方?』

 

『あら、よくわかるわね、あうる………』

 

 

.

 

 

 

 

『………ねむい』

 

あすらんは眠気でゆらゆら揺れそうな頭を必死に起こして、そりを運転している。

 

『きらぁ………交代……いぃ!?!?!?』

 

振り替えると、きらはらくすの胸に寄りかかって寝ている。

 

………幸せそうな………寝顔………

 

『………くすん』

 

あすらんは寝不足で真っ赤な瞳に涙を溜める。

 

『………あちゅら……』

 

目をこすりながらかがりが隣にくる。

 

『がんばれ………あちゅらん………』

 

 

………ちゅうっ………

 

 

かがりの唇が触れたところが………熱くなる………

 

『………がんばる………おれ………』

 

 

………結局、きらは頼りにならない………

 

 

.

 

 

 

『司祭様!!!』

 

教会中に響き渡るのはまりゅの声。

 

『すてぃんぐがいないの!!!』

 

『すてぃんぐが………?』

 

いざーくは首をかしげる。

 

あのこは………黙っていなくなるこじゃない………

 

『でぃあっか!!!にこる!!!』

 

 

教会は………慌しくなってきた。

 

 

『はい………らくす』

 

『ありがとう、きら』

 

らくすの前に、袋がみっつ置かれた。

 

『かがりの方は?』

 

『あすらんがついてますから………失敗はおきませんわ』

 

『………そう?』

 

 

面白い話を期待していたきらだったので………
らくすのにこにこした受け答えに、ちょっとつまらないなぁ………と感じてました。

 

 

.

 

 

 

『かがり………何をプレゼントにしたんだい?』

 

あすらんは目を擦りながら帰り道のそりを運転する。

 

この時期の彼の睡眠時間は極端に低い。

 

 

先日は………ついついお昼ご飯の時に寝てしまい………

 

スープ皿に顔を突っ込んだ。

 

 

『あすらんは鼻からスープを飲む』

 

 

と、あうるにからかわれ、種割れしかけた………

 

 

『いつも彼が欲しがっている………あれだ』

 

あすらんの背中によっかかって、毛布を首までかけるかがりは寝る準備中………

 

『今回のキーワードも決まったし………』

 

『最前列で見れるのだからな………』
………いい………クリスマスプレゼントになれば………いいな………

 

 

.

 

 

 

『わたしのすてらを返して!!!』

 

『な!!!なんのことだ???』

 

『いくらで売ったの???なたるお義母さま!!!』

 

『売ったも何も………』

 

まりゅはむうの両親に詰め寄った。

 

『わたしの………わたしの大事な子供を帰して!!!
なんだってしますから!!!』

 

 

脈絡の見えないなたるは首をかしげ、ゆうなはにこにこしてなたるに耳打ちする。

 

『かくれんぼしてるうちに、寝ちゃったんだよ………
見つかるまでの間、無賃金で働いてもらっちゃおうよ!!!』

 

『いや………しかし』

 

『なたる………タイム イズ マネー………だよ』

 

にっこり笑って、ゆうなはまりゅに振り向く。

 

『なんでもするなら………まずはデパートの掃除を!!!
………って……あれ?』

 

 

すてらに対しての反応が薄いことに気が付いたまりゅは、脱兎のごとく、立ち去っていた。

 

 

.

 

 

 

『わたしのすてぃんぐ、あうる、すてらを返して!!!』

 

『な!!!なんのことだ???』

 

『今、どこで働かせているの???あんでぃお父さま!!!』

 

『働かせているも何も………』

 

まりゅは自分の両親に詰め寄った。

 

『まだ、ふたりとも来てもらってはいませんわ、まりゅ………』

 

『少し落ち着け……どうしたんだ?』

 

あんでぃ&あいしゃは自分を無くすくらい動揺している愛娘を冷静にさせようと宥める。

 

『わたしのすてぃんぐ、あうる、すてらがいないの』
………あのこたちがいないと………わたし………

 

頑張って出稼ぎしているむうにも………

 

 

『まりゅ………母親のキミが家を開けてどうする?
もうすぐ約束の日ではあるが………こども達が帰っても誰もいなければ、それこそ彼らのこころに傷が残る』

 

『そうよ、まりゅ………
私たちはあなたのこどもだから跡継ぎにしたいの。
むうさんの両親の言葉に怒ってあんでぃがすてぃんぐとあうるを欲しいって言ってしまっただけ………
あなたがよければ………むうさんとこどもたちと、一緒に暮らしたいだけなの………』

 

『これ………あいしゃ………』

 

『あんでぃも………意地張っちゃって………』

 

 

.

 

 

 

 

『今日は仕事にならん!!!』

 

あんでぃはヒトコト吠えると看板をおろしだす。

 

『お父さま!?!?!?』
この稼ぎ時に………!?!?!?

 

『まりゅ!!!すてぃんぐ、あうる、すてらを探しに行こう!!!』

 

『お父さま!?!?!?』

 

『まりゅ、おまえは家にいなさい、私たちが探して連れて戻るから………』

 

 

ばたん………

 

看板を外したハズなのに………

 

『おやっさん……今日は店閉めちゃうのかい?』

 

『あぁ………今日の野菜を持ってきてくれたのに………
悪いね、だこすたくん』

 

『すみません………話、聞いちゃいまして………
よかったら、俺、店番しますよ。
せっかく、おいしく育てた野菜を食べて欲しいし………』

 

『そうかそうかだこすたくん!!!』

 

あんでぃはだこすたの肩を思いっきり叩く。

 

『だが………シェフは私なのでな………だこすたくん!!!』

 

あんでぃは三枚の紙を出してきて、頭をひねりながら、さらさらと何かを書いていく。

 

『この三人を探して欲しい!!!』

 

 

『………これ、人間ですか?』

 

…………丸と……四角と三角と………

 

 

幾何学模様の塊なんですが………

 

 

.

 

 

 

『すてぃんぐ………あうる………すてら………』

 

家で待ち続けるまりゅにとって気が狂いそうだった。

 

 

こんこんこん………

 

椅子を倒して立ち上がるまりゅ。

 

『すてぃんぐ!!!あうる!!!すてら!!!』

 

壊れそうな程に薄い玄関を勢いよく開ける。

 

『残念でした………』

 

 

笑って立つ、金色の髪………

 

『むう…………』

 

ぼろぼろと涙を流して抱きつくまりゅ。

 

『おいおい………おれがいない間に何があったんだい?
まりゅ?』

 

『いなくなっちゃったの………
すてぃんぐもあうるもすてらも………』

 

『なんだって!?』

 

むうは………まりゅを抱えながら、玄関前で腰を落としてしまう。

 

 

三兄弟の顔をみたくて………

 

声を聞きたくて………

 

 

自分で守りたくて………

 

 

頑張って働いてきたの………に………

 

 

.

 

 

 

『ねぇ………きら………』

 

あすらんはおやつのドーナッツに手を伸ばす。

 

『いつ………決行するの?』

 

『う~ん………らくすの気持ち次第だなぁ………』

 

口をもぐもぐさせながら、きらはあさっての方向をみてる。

 

『そっちはうまくいったの?』

 

『上々だよ』

 

あすらんがもうひとつのドーナッツに手をのばそうとすると、るなまりあとめいりんが寄ってくる。

 

『はい………あすらん、あ~ん!!!』

 

『え”………』

 

『わたしもッ!!!あ~ん!!!』

 

 

………なんで………

 

 

あすらんはふたりと反対の方を向くと、

 

『たべなさいよ!!!あすらん、あ~ん!!!』

 

『げ………』

 

 

………わがままみーあ

 

 

『もてもてだね………あすらん』

 

 

.

 

 

 

『ふぁぁぁ………』

 

『大きなあくびだね、あすらん』

 

『………』

 

 

今日は24日………

 

僕らが配ったプレゼントのミラージュコロイドの有効がきれる日………

 

そして………僕たちも………

 

 

 

 

『親父!!!こども達を返してくれ!!!』

 

『おぉ!!!むう!!!』

 

紅茶を飲んでいるゆうなに、むうは詰め寄る。

 

『借金は………今日、返してくれるのかな?』

 

『う”………』

 

むうは………指摘を受けてどきっとする。

 

 

実は………頑張ってはみたものの………半分にしかならなかった。

 

決して………誰かに貢いだりとかはしてない………

 

と、本人は大真面目だ。

 

 

『全額にはならなかったのかい?
それじゃ、こども達は返すことはできないなぁ………』

 

得意げに言うゆうな。

 

こども達の居場所を知らないのに………相変わらずほら吹きは上手である。

 

父親に一蹴されたむうは、悪態をつきながら帰るために回れ右をした。

 

『むう………ちょっと………』

 

ゆうなが自分に酔いだした時を見計らって、なたるは息子のむうに声をかけた。

 

 

『ここにはこども達はいないぞ』

 

 

.

 

 

 

『なぁ!!!まりゅ!!!』

 

一目散に自宅に戻ったむうは、扉を壊しそうな勢いで、部屋に転がり込む。

 

『森に遊びに行ったとか………ないのか?』

 

『え?………なん……で?』

 

『親父とお袋のところにもいないんだよッ!!!』

 

むうは、壁をこぶしで突く。

 

ボロ家なので………ぱらぱらと煉瓦の欠けらがこぼれる。

 

『あぁ………畜生!!!』

 

遣り切れない苛立ちに、むうは唇を噛み締めるのだった。

 

 

.

 

 

 

『今年で………最後にしたいですわ』

 

青い三角帽子を垂らしながら、らくすはつぶやいた。

 

『じゃ、来年はじゃんけん大会なしか………』

 

かがりは………じゃんけんが出来ないことが残念らしい。

 

この………自分に対してむとんちゃくなところが、かがりの魅力といえば魅力で………

 

 

あすらんは、胸をきゅん………とさせてしまう。

 

 

.

 

 

 

『らくすの青い服装も好きなんだけどなぁ………』

 

きらはパソコンのモニターを覗きながら話す。

 

『いっつも………ぱすてるいろの洋服が多いから、いつもより、みててどきどきするんだ』

 

 

………きら

 

 

ナイス!!!

 

これで………かがりの喜ぶ顔をみる機会がふえる!!!

 

『………うれしそうだね、あすらん』

 

顔を覗き込むかがり。

 

『まぁ………あすらんはわたくしが【邪悪で容赦のない魔法使い】だとうれしそうな笑いですわ』

 

きらのお世辞から目の覚めたらくすが頬をふくらます。

 

『え”ぇ”!!!』

 

 

あすらんはちょっぴり涙を浮かべるのだった。

 

 

.

 

 

 

さんたさんへ

 

 

 

 

 

僕たちは今はいっしょだけど、もうすぐばらばらになっちゃうの

 

 

その前に

 

おとうさんとおかあさん、すてぃんぐとすてらで、

 

 

いっしょにご飯食べたいな

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

………あうる、さんたさんはお願い事なんでも聞いてくれるわけじゃないよ………

 

 

………え………

………じゃ、だれが俺のお願い事聞いてくれるの?………

 

 

………すてらわかんない………

 

 

………俺もわからないよ………

 

 

………わからないのになんで違うって言えるんだよ………

………わけわかんねぇ………

 

 

 

 

 

窓にお願い事を書いた紙をぶらさげたあうるは、誰かがかなえてくれると信じて疑わなかった。

 

 

.

 

 

 

 

『まりゅ………俺………』

 

憔悴しきった顔のむう。

 

まりゅは雪でぐっしょりぬれてしまったむうのくつしたを暖炉にかざしながら、半分上の空でむうの話を聞いていた。

 

『帰らずの森のなか、探しに行ってみるよ………』

 

『………そうね………えッ……』

 

むうの言葉にあいづちを打ったあとで、まりゅは気付く。

 

『むう!!!そこはおとなでも迷う森だわ!!!』

 

『でも!!!もう、そこ以外は探し尽くしたんだよ!!!
そこだけなんだ!!!探してないのは!!!』

 

『わかってるわ………わかっているけど………でも!!!』

 

 

………あなたまでいなくなったら………

 

私は………

 

 

………なんのために生きていくの?………

 

 

.

 

 

 

まりゅは説得するも、むうを止めることは出来なかった………

 

 

『俺は、不可能を可能にする男だぜ!!!』

 

 

………借金は半分しか返せてなく、不可能のままだが………

 

まぁ………そう、おおぐちを叩いて、帰らずの森のなかに入ってしまった。

 

 

『お父様、お母様!!!』

 

『何?むうくんが?』

 

まりゅは、実の両親のあんでぃとあいしゃに泣き付くと、町のヒトたちが協力して、帰らずの森のなかに入って行った。

 

 

.

 

 

 

『お義父様、お義母様!!!』

 

『なんだと!!!』

 

まりゅは、むうの両親のゆうなとなたるに泣き付きに行った。

 

 

私では止められなかった………もしかしたらご両親なら………

 

そう、まりゅは考えたのだ。

 

 

むうが持ってきた借金の硬貨や紙幣を、ブランデー入りの紅茶を飲みながら数えているゆうな。

 

『わざわざそんなところに行くなんて………あいつは正真正銘の馬鹿だ………』

 

『しかし………むうがいなくなったら借金も据え置きだな………』

 

『はっ!!!そうだよ、なたる!!!
むうがいなくちゃ、お金が作れないじゃないか!!!』

 

なたるのヒトコトで、ゆうなは現金収入をもたらすむうをなくすのはおしいと思い、暖かいかっこをして、帰らずの森のなかを進んで行った。

 

 

.

 

 

 

『なぁに?ここぉ………』

 

初めて帰らずの森のなかを進むゆうな。

 

自分の足音にすら………驚いて、さっきは尻餅を新雪の上に盛大についた。

 

 

はあぁぁ………

 

金のためとはいえ、こんな寒い思いをしなくてはならないのか………

 

売ろうとしていた子どもたちもいないわ………

 

金を持ってくるむうも、いなくなろうとしているわ………散々だ………

 

 

『おじさん!!!』

 

ゆうなの前に、赤いサンタクロースと青いサンタクロースが現れた。

 

 

.

 

 

 

 

『これ、なぁんだ?』

 

『ん?………それは……』
昨日、むうが乗り込んできたときに着ていた服………

 

 

『息子は………ここに裸でいるのか?』

 

『そうだよ………おじさんの大事なこどもはこの森のなかで寒い寒いだよ』

 

赤いサンタクロースは身体を縮めて言う。

 

その身振りが………かわいい………

 

青いサンタクロースが次に話しだす。

 

『おじさんが何か、私にプレゼントしてくれたら、息子さんにこの服、返して差し上げますわ』

 

 

.

 

 

『プレゼント………だと?』

 

ゆうなは思った。

 

 

もう………むうは凍えて死んでいるかもしれない。

 

こんなに………寒いんだもの。

 

雪も積もっているし………

 

 

『そんなことより!!!赤い服のキミ!!!』

 

赤いサンタクロースに抱きつく。

 

『あぁ!!!可愛らしい………ボクのハニーに!!!』

 

 

.

 

 

 

どかッ

 

『…………ぅッ………』

 

膝から崩れていくゆうな。

 

 

『………なんで、お前も抱きつかれちゃうんだ………』

 

まゆをひそめたあすらんが文句を言う。

 

『え………あ……いや……』
………急すぎて………

 

 

かがりはしっかり助けてくれたあすらんを見て………

 

胸がどきどきしてしまった。

 

 

『やっぱり………ゆうなはどぐされ野郎ですわ』

 

『らくす………言葉が汚い………』

 

きらはゆうなを縛りながら、らくすにちょっとだけ注意した。

 

『やっぱり………ゆうなが一番変なやつだ………』

 

かがりはらくすに言う。

 

『むうは………こどもと引き替えに着ていたこの服を差し出したんだからな!!!』

 

 

.

 

 

 

『おじさん!!!』

 

むうの前に、赤いサンタクロースと青いサンタクロースが現れた。

 

『これ、なぁんだ?』

 

『ん?………それは……』
………俺の………大事な………

 

 

『すてぃんぐ!!!あうる!!!すてら!!!
返してくれ!!!俺の大事なこどもたちなんだ!!!』

 

おおきな袋の中に、さんにん仲良く眠っていて………青いサンタクロースが次に話しだす。

 

『おじさんが何か、私にプレゼントしてくれたら、お子さまたちを家に返して差し上げますわ』

 

 

.

 

 

 

『………プレゼント………』

 

 

俺には今………何も渡せるものはない………

 

高価な懐中時計とかも、髪飾りとかも、もちろん、お金も………

 

 

大事なもの………

 

それはまりゅと子どもたち。

 

 

『………俺には今、渡せるものは何もない』

 

着ている服を次々脱いでいき、裸になる。

 

 

『これで、勘弁してくれないか?
俺には、今、プレゼントできるのはこれだけなんだ………』

 

 

………まりゅ………

 

………子どもたちと仲良く暮らしていってくれ………

 

 

.

 

 

 

『わかりました』

 

青いサンタクロースは答える。

 

『あなたのキモチ、精一杯いただきましたわ』

………この服はいただきます………

 

 

『では、おじさん』

 

赤いサンタクロースが微笑む。

 

『あなたにお子さまたちからのプレゼントを送りましょう』

 

赤いサンタクロースの言葉と共にあらわれたのは一揃いの赤い服。

 

 

.

 

 

 

 

『おじさん!!!』

 

あんでぃの前に、赤いサンタクロースと青いサンタクロースが現れた。

 

『これ、なぁんだ?』

 

『ん?………それは……』

 

 

………大事な………

 

………娘の………

 

『すてぃんぐ!!!あうる!!!すてら!!!
探しているんだ!!!俺の大事な娘が!!!
俺のまごたちなんだ!!!』

 

おおきな袋の中に、さんにん仲良く眠っていて………青いサンタクロースが次に話しだす。

 

『おじさんが何か、私にプレゼントしてくれたら、おまごさんたちを家に返して差し上げますわ』

 

 

.

 

 

 

 

『………プレゼント………』

 

 

借金を払ってくれている婿………

 

俺には、更にお金を使うことなど………

 

 

『俺の大事なコーヒーのレシピを教える!!!』

 

『『………』』

 

赤いサンタクロースと青いサンタクロースは口をあんぐりあける。

 

 

『町一番のすぺしゃるブレンドコーヒーレシピだ!!!頼む!!!』

 

『『………』』

 

 

.

 

 

 

 

『………では、仕方ないですわね………』

 

青いサンタクロースは困り顔であんでぃに伝える。

 

『わたしたちが訪れたときに、何回でもコーヒーを無料で飲ましていただけるなら………考えてもいいですわ』

 

『ありがとう!!!お嬢ちゃんたち!!!』

 

 

あんでぃは………涙を流して雪のつもった地面の上で、土下座するのだった。

 

 

.

 

 

 

『今年も………疲れたね………』

 

教会の窓から、外の景色を眺めるあすらん。

 

 

子どもたちと………サンタクロースの服を着たむうを、まりゅがひとりで待つ家に送り届けて………

 

あうるに赤いサンタクロースはプレゼントを送る。

 

 

『願いを………おかあさんにかなえてもらってね』

 

 

………おとうさんとおかあさん、すてぃんぐとすてらで、

 

いっしょにご飯食べたいな………

 

 

雪のちらつく再開の日………

 

むうのいえの煙突からは、優しい香りのする煙が、いつまでも漂っていた。

 

 

.

 

 

 

『明日、コーヒー飲みにいけるね』

 

きらがとなりにきて、一緒に窓の外を眺める。

 

『………いける………かな?』

 

 

窓の外には、なたるに引きずられて歩くゆうながいる。

 

『なんで森のなかで縛られているんだ!!!ゆうな!!!』

………そんな趣味があるのか?

 

 

『あぁ………赤いサンタクロース………』

 

ゆうなは………何かにうなされているようだった………

 

 

.

 

 

 

『今日でクリスマスだね』

 

かがりがうれしそうな声で話し掛けてきて、あすらんにからだをよせてくる。

 

『う………うん』

 

どぎまぎしながら答えるあすらん。

 

『今年は………ミラージュコロイド成功したみたいですわ』

 

きらの隣から顔をだすらくす。

 

『うん………25にち……だね』

 

 

………ぴんぽーん

 

 

.

 

 

 

『………どちら様でしょうか?』

 

教会の扉をにこるは開けた。

 

 

『すみません、遅い時間に………』

 

………娘たちがお世話になりました………

 

 

ふたりの男性共、立派な口ひげをたくわえている。

 

『ようやく探しだせました………長くに渡り、お世話になりました』

 

『………あの………どちらさまで?』

 

にこるがなかなか戻ってこないので………呼びにきたでぃあっかが尋ねる。

 

『かがりときらの父です』

 

『らくすとあすらんの保護者です』

 

グレーの髭の男性がはじめに答え、続けて栗色の髭の男性が話す。

 

『ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
えぇ………食事代や宿泊、あ………幼稚園代も、すぐにお支払い致します………』

 

 

ぺこぺこ頭を下げる男性二名。

 

『いや………払うって言われても………』

 

にこるもでぃあっかも渋い顔。

 

教会なのだから………全て善意の考えの下での………行動なのだ。

 

 

金で解決なんて………

 

 

.

 

 

 

『なんだと!?』

 

司祭のいざーくは突然の訪問者に動揺する。

 

にこる、でぃあっか、ふたりからの報告に、いざーくはこころが淋しくなった。

 

 

迎えにくるひとが………

 

よにんにはいた………

 

 

………そういう真実には、出会いたくなかった………

 

 

『先に………部屋に通しておいてくれ。
起きてたら………あのこ達を呼んでくる』

 

 

.

 

 

 

………かみさま

 

 

私は………

 

彼らが天使だと

 

 

そう思っていました

 

 

今でも

 

そう

 

思っています

 

 

………ただ

 

寂しいです

 

 

自ら、天使を手放さなくてはならないとなると………

 

 

せめて

 

幼稚園を卒業させるまでと………

 

 

思ってはいけないのですね………

 

 

.

 

 

 

 

扉を開けると、ベッドに布団をかぶったよにんがいた。

 

一部、曇りガラスではなくなっている。

 

いざーくは………思わず微笑んで………

 

 

扉をゆっくり閉めた。

 

 

 

『朝ご飯、一緒に食べていかれませんか?』

………本日はクリスマスですから………

 

いざーくはふたりの客人にそう伝え、ベッドを用意するのだった。

 

 

.

 

 

 

 

『今回はうまくいったのかい?かがり?』

 

『はい!!!おとうさま!!!』

 

かがりはうずみの膝のうえで元気よく返事をする。

 

『今回はさんにんの事情もわかったうえでのプレゼントもできましたもの』

 

らくすはしーげるに話しだす。

 

『そうかい?らくす』

 

しーげるは目を細めて、あすらんの肩をたたく。

 

『今回のミラージュコロイドは上手だったよ。
今頃、あの家のお父さんのかわかしている靴下の中のコインも、姿を現しているだろう………』

 

『ありがとうございます』

 

『つぎは………どこに行きたいかね?きらくん?』

 

うずみは微笑みながら尋ねる。

 

『つぎは………』

 

 

………つぎも、あったかい家庭を作ってあげられるところが………いいな

 

 

fin.
20091220-113

.

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【編集後記】

 

[card url=https://ath.tokyo/main/]

 

種キャラを使ったクリスマス話と言われて、真面目に書きました。

頭の中絵本を読んでいるような感覚で。

 

色んな所がつっこみどころ満載にしたので、書いていて楽しかったです。

どなたか絵本に仕上げてくれたら・・・マジで買います!

 

 

201800304ねじ

 

心が泣きたい方へのアスカガ

【fuzz connection】第四部
社会人パロ。学生時代から交際していた30代のアスランとカガリ。カガリの行いをきっかけにアスランとカガリは別れてしまう。
………Lost Paradise
本編沿い。SEED25話前後の内容。アスランの回顧録。
ガンダムSEED、SEEDDESTINY本編沿いのお話。
各シリーズをまとめたリンク集です。気になるお話は見つかるでしょうか。

 
 

節約したい!ヲタクが始めた節約レシピ

病院に通う時間と薬代節約!長引く風邪とおさらばしたい!体力低下の前に食事で対策できる?

治らない風邪を後押しする、食事から風邪菌を追い出す方法。

30代男子
30代男子
喉が痛くてなかなか治せない。。そんな時におススメなんだ。
早く体調がよくなれば、何度も通院しなくて済むし、薬代もかからない。
時間の節約と、お金の節約の一挙両得。

最大の節約は所得税控除内で働くこと。実は在宅でもできる控除ないでできる複業リスト。

おすすめの複業って何?主婦が扶養範囲内でできる仕事をリストアップ!
子どもの行事や家族の通院の付き添い・・・やることがいっぱいで仕事なんてできない!それに時間がないから節約のための買い物もおろそかだわ!そんな悩みを持つ方におすすめです。

いつまで経っても節約できない。そんな悩みを持つ方へ、まずは掃除から始めませんか?

節約体質にするには、まずは部屋の掃除から。あなたの部屋は汚部屋?
お金の節約も必要ですが、まずは部屋の掃除から。ハサミなどの同じ文房具が10本以上出て来たら、あなたが買いすぎということですね。先ずは買いすぎない節約を考えましょう。

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