2次小説

めんでるなこびとたち・夏のプール編

 

 

 

【めんでるなこびとたち・夏のプール編】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君たちは【自由研究】をしたことがあるかね?

 

 

そうか………

 

その名の通り、【自由研究】とは、生徒ひとりひとりの個性から生まれた探求心を、伸ばし、より深いところまで考え、学ぶことだ。

 

私、らう・る・くるーぜは教師として、夏休みに必ずひとつ、【自由研究】を行ってくるように宿題を出した。

 

夏休み開け………私も、この【自由研究】を採点しなくてはならない。

 

いいレポート、いい作品を発表しなくては………な。

 

そこでだ、この作品に対して、皆の意見を聞きたい。

 

いい研究結果でもあり、着眼点も素晴らしい。

 

【自由研究】では高得点だ!!!

 

 

ただし………生徒の前で………発表してよいものだろうか………

 

 

.

 

 

 

表題【四角関係における、人間の感情の推移】

 

 

序論

ヒトリの女性を巡り、人間の感情はどこまで豊かになれるのでしょうか?

考えるだけでも、どきどきしてしまうのは私だけでしょうか?

今回は………ある男の子を観察させていただきました。

私は今回の観察の中で、『好き』と言う感情は、置かれた環境により、まるでアメーバの如く変幻するものだと確信しました。

これは、個人の豊かな発想力がもたらしたものもヒトツの根拠になりますが、目まぐるしく変わる周囲の状況も、やはり彼を導くもののヒトツだという考えに至りました。

 

彼の感情を育むモノ………

その核は彼を愛する存在だと感じます。

 

愛………故に………抱き締め、

 

愛………故に………いじめ、

 

愛………故に………ほっとけない

 

 

私は以上を結論としてまとめさせていただきます。

 

 

.

 

 

 

『おい!!!あすらん!!!』

 

 

水泳帽子を目深に被ると、アイスブルーの瞳は更に強調される。

 

生来のつり目が、当社比2倍と言うヤツだ。

 

 

たった今、100メートルのクロールに挑戦し、達成したばかりで、プールの壁際でぷかぷか浮かんでいるあすらんは、面倒くさそうに、声のするほうに顔を向けた。

 

『明日にはその鼻、へし折ってやる!!!』

 

そう宣言したいざーくは、本日90メートルで足が着いてしまっていた。

 

 

.

 

 

 

………あ”ぁ”

 

マジしんどかった………

 

 

なんで………夏休み前半に予定を繰り上げしなきゃいけないんだ………

 

 

脱力状態で、大きく息を吐き出す。

 

ちょっと力をいれたからか、僅かに身体が沈む。

 

そう、あすらんの予定では、毎年プールカードの裏側の『級』をクリアすることであった。

 

クリアすることは自分に対する挑戦でもあったので、毎年楽しみのひとつでもあった。

 

それが………

 

 

………(あすらん、私も今年は100メートルに挑戦するぞ!!!)………

 

 

幾分、膨らみかけた胸を張ったかがりは嬉しそうに言った。

 

 

.

 

 

夏休み後半で記録にアタックするあすらんにとっては、さすがにかがりに追い抜かれたくもなかったので、今年に限っては、予定を早めざるをえなかった。

 

 

………このまま………

 

 

浮かんで………寝たいなぁ………

 

 

負けず嫌いなのか………努力家なのか………

 

とりあえずの達成感を味わうあすらんのお腹に何かが乗る。

 

『!!!』

 

沈みだす身体をばたばたさせ、両足をプールの底に届かせた。

 

もがく間に、お腹に乗ったものは身体に巻き付いてきて………俺の胸に……柔らかな………

 

 

『ごめんごめん、あすらん』

 

右手で顔に付いた水を落とす。

 

視界に飛び込んできたのは黄金色の瞳。

 

真っ直ぐな視線を交わして、自分の胸元をみると………

 

 

.

 

 

 

『立てるか?あすらん?』

 

『………う……うん』

 

 

プールの水はこんなに熱かったっけ?

 

かがりに抱き抱えられているのも………恥ずかしいのに………

 

………その

 

………密着度合いが………

 

 

ぱんッ

 

『いッ……て………』

 

誰かが………水中眼鏡のゴム、引っ張って放しやがった!!!

 

 

『ぁ………きら………』

 

かがりの声で、後ろを振り向いた俺は、むすっとしたきらの顔を直近で見ることとなった。

 

『早く離れなよ、あすらん』

 

『………う……うん』

 

『何怒っているんだ?きら?
だいたい私が悪いんだ。
飛び付いたから、あすらん、腰抜かしちゃったんだ………だよな?』

 

 

………正式に言うと、溺れそうになったんだが………

 

 

『プールから出れるか?あすらん?』

 

『………うん』

 

『………』

 

少しすれば………きらの機嫌も直るだろう………

 

 

そう考えながらあすらんは、未練たらたらにかがりの身体から離れて、のろのろプールサイドにむかうのだった。

 

 

………少なくとも、よっつの目が、怪しく光っていたが………

 

そんなことにあすらんは少しも気を回すことはなかった。

 

 

.

 

 

 

『ねぇ………いざーく』

 

『なんだ?きら』

 

 

新記録達成したあすらんは女の子に囲まれてにこにこしている。

 

あと少し頑張れば………俺も、あぁなっていたのに………

 

いざーくは悔しくてたまらない。

 

そんなところににっこり笑ったきらが来たのだ。

 

『あすらんにちょっといぢわるしない?』

 

『!!!』

 

いざーくの表情は一気に晴れ渡った。

 

楽しそうにひそひそ話をする二人の横で、でぃあっかは大きくあくびをする。

 

 

………リアル水戸黄門の悪代官だ………こいつら………

 

 

.

 

 

 

『さて諸君!!!』

 

 

生徒顔負けの黒ビキニ姿のらう・る・くるーぜ先生は、プールサイドに立った。

 

『今日は流れるプールか?』

 

 

プール教室の最後の10分は、参加している全学年で遊ぶのが夏休み恒例の楽しみ方だった。

 

大抵、流れるプールと決まっていた。

 

プール内を一定方向に回ると水流が出来て流れるプールもどきとなる。

 

ちなみに、プールの短辺にヒトを集め、プール内ではないちもんめを10回以上行うと、波ができ、波のプールもどきとなる。

 

『は~い♪』

 

大きな声がプール内から聞こえ、早く水流を作りたいからか………

 

生徒達はすぐにプール内を回りだした。

 

女の子に囲まれながら、歩いていたあすらんだったが………

 

水流が出来始めると、さすがに疲れたのか………ビートバンの上に身体をのせて、軽くばたあししながら雰囲気を楽しみだした。

 

 

『ヨシ!!!』

 

いざーくの瞳がぎらんッと光った!!!

 

 

『作戦開始だ!!!』

 

 

.

 

 

 

………あぁ………

 

 

あすらんは自分の世界に逃避行していた。

 

背泳ぎ状態で身体を浮かべている。

 

目の前に広がるのは………白い入道雲が沸き上がりかけた青い空………

 

 

なんてキモチいいんだろう………

 

 

くらげのようにふにゃふにゃふにゃ………

 

 

………ふにゃっ!?

 

誰かが俺の腰に手を!?

 

 

ち……ちょっと誰!?

 

 

足をプールの底に着けようと伸ばすと………逆に足を取られて………

 

な……なん………

 

いつの間にか腕も………押さえられていて………

 

や………やめ………

 

 

水の中に頭を押しつけられ、声も泡になる。

 

暴れる身体から無数の気泡が湧き出て………

 

その泡の中………

 

 

…………え”

 

 

流れる水流はあすらんの履いていた………水着を………

 

 

流していった………

 

 

.

 

 

 

『どうした?足でもつったか?あすらん?』

 

 

………う”

 

黒ビキニのらう先生に………なんて話せばいいんだ………

 

 

いつの間にか押さえ付けていたナニモノか達はいなくなり………俺は………仕方なく………

 

 

プールの壁に寄りかかった。

 

 

『………せ……先生』

 

………先生の黒ビキニは履きたくないけど

 

 

………い……いや、そうじゃなくて………

 

どうやってプールから出れば………

 

 

『先生!!!』

 

『なんだね?かがり?』

 

 

.

 

 

 

『あ………あのね、今、にこるが潜ってくれているんだけど………』

 

水から上がってプールサイドの黒ビキニのらう先生に耳打ちするかがり。

 

『………なるほどな』

 

先生はかがりの頭をぽんぽん叩いて返事をした。

 

『人助けすることはいいことだ………そうそう、かがりくん………』

 

 

………ひとつ、頼みたいことがあるのだが………

 

 

 

.

 

 

 

『…………』

 

 

………ダメだ

 

 

このタオルの匂い

 

 

このタオルの柔らかさ

 

 

このタオルの………

 

 

『なぜ………顔を赤くするんだい………あすらん?』

 

『せ………せんせ………』

 

『ふふ………どうした?心配はしなくていいぞ?』

君のタオルと交換したんだ………彼女は………

 

 

お姫様だっこされて………タオル………かがりのタオルにくるまれた裸のあすらんは………

 

 

恥ずかしさよりも、逞しく育ちすぎた想像力の暴走が著しく………

 

 

『せ………せんせぇ………』

 

あすらんは使い方の知らぬ未成人部分を、黒ビキニのくるーぜ先生にばれないよう、必死に隠すのだった。

 

 

.

 

 

 

『かがり………きらのと間違えて持ってきたの?それ?』

 

飛行機が描かれたタオルで身体を拭くかがりに、みりありあは尋ねた。

 

『ちがうよ………あすらんが足つっちゃったみたいだから………先生に言われて貸したの』

 

『ふぅん………で、あすらんは?』

 

『先生にだっこされて保健室だと思う』

 

 

あすらんのタオルに顔を埋めて………ちょっとごきげんなかがり。

 

………あすらんの匂いがする………

 

きらとは違う………おとこのこの匂い………

 

 

『ねぇ………それじゃ、あすらんの着替え、もっていかなきゃダメだよね?』

 

髪をごしごし拭くみりありあはタオルを顔につけてフリーズしているかがりに再び質問するのだった。

 

 

.

 

 

 

『おい!!!なんでかがりがあすらんのタオル使うんだ!?』

 

いざーくにしてみたら、こんな展開は想定外だった。

 

みんなの前で………あすらんがプールからあがれないのをからかう算段だったのに………

 

 

きらにしてもそうだ。

 

かがりになじられるあすらんを見たかったのだ。

 

 

『これ、あすらんのですよね?』

 

さっさと着替えたにこるは、あすらんのプールバックを持ち出した。

 

『あ”……ちょっと待てッにこるッ!!!』

 

タオルを腰に回したいざーくは、扉を開けたにこるにつかみかかり………

 

 

『あ”ぁ”!!!』

 

おもいっきり、自分のタオルの端を踏みつけた。

 

 

.

 

 

プール用のタオル………

 

 

これにはさまざまな工夫が備わっている。

 

個性豊かにアップリケや用途不明なポケット………

 

そして、どのタオルにも共通してあるのが、ゴムが仕込んであり、頭からすっぽりかぶれるようになっている。

 

そして………てるてる坊主のように………ぼたんでタオルとタオルを止めるようにしてあるのだ。

 

 

………そんな仕立てのタオルの端を踏んだいざーく………

 

腰に止まっていたゴムはずりっと落ち………

 

 

『『『きゃああああ』』』

 

 

.

 

 

 

いざーくの声より先に………女の子の叫び声が響く。

 

その叫びに、ブリーフだけ履いたきらが様子を見に焦って出てくるが………

 

らくすの姿が目に入り、扉に下半身を隠す。

 

 

『ほら………これを使え』

 

いざーくの前に出されたのはぷりてぃあ(歌って踊る正義の味方ヒロイン集団(笑))のタオル。

 

『間違えて二枚持ってきちゃったんだ!!!』

 

かがりの申し出にいざーくはすごすごと前を隠しながら立ち上がる。

 

『………いざーく』

 

 

………きらので見慣れているから………

 

さっさと立ちなよ………

 

 

『『『!!!!!』』』

 

 

.

 

 

 

かがりの暴言に………

 

 

いざーくは再び倒れ、でぃあっかはばか笑い、きらは顔を真っ青にして、扉枠に沿って………地面に倒れた。

 

 

『さ!!!あすらんのところに行こっ』

 

いざーくのふるぬーどに………意に返さないかがりとは対象的に、らくすとみりありあ、にこるは………未だに顔を赤らめていた。

 

 

………保健室………

 

 

『あ……あの……先生?』

 

『なんだねあすらん?』

 

 

………俺………

 

足、本当はつってないし………

 

 

保健室のベッドに寝かされたあすらん。

 

そして………

 

『先生………な……なんで………』

 

………僕の足、舐めるんですか?

 

 

かがりのタオルで………あすらんは必死にぱんつで隠さなきゃいけないところを隠しながらくるーぜ先生に尋ねる。

 

『こうすると………早く具合が良くなるおまじないだ………』

 

『………せ………先生……』

 

 

………俺、そんなこと………

 

聞いたことないよ!!!

 

 

あすらんは………泣きそうになりながら………

 

耐えるのでした。

 

 

.

 

 

………ははは
こんな好奇!!!逃すはずないじゃないか!!!

 

 

黒ビキニのくるーぜ先生は、叫びたいキモチを懸命に押さえながら、いやがるあすらんの足を舐めていた。

 

 

………がらッ

 

『あ!!!くるーぜ先生』
………あすらんの足、なんで舐めてるの?

 

『かがり!?』

 

 

………お……俺……もう………

 

恥ずかしく………て………

 

 

『…………あすらん、寝ちゃった』

 

 

.

 

 

 

疲労と………極度の緊張で………

 

 

意識を失ってしまったあすらん。

 

『かがり………あすらんからタオルとっちゃいなよ………』

 

『ぇ”………や……それは恥ずかしいから………』

 

急に真っ赤になったかがり。

 

『あすらん水着着てるのに?
だいたいさっきいざーくの裸見て………見慣れているって言ってたじゃない』

 

みりありあの突っ込みに………かがりはしどろもどろになる。

 

『………つまりかがりさんの中であすらんはきらとも別格ですの?』

 

『え………い……いや………えっ……と』

 

『妙………ですね』

 

『に……にこるまでッ!!!
らくすと一緒に考えなくていいってば!!!』

 

 

あすらんが寝ているベッドの脇で討論する四人に、くるーぜ先生はにやにやしながらみつめるのだった。

 

 

.

 

 

 

『そういえばにこる』
………先程拾いに行っていた水着はどうなったのだ?

 

『あ!!!』

 

にこるはごそごそと自分のプールバックを漁り………取り出した。

 

『では……先生が預かっておこう』

 

にっこり笑ったくるーぜ先生は言う。

 

『さて………誰があすらんを起こすかね?』

 

 

………私が

 

起こして着替えを手伝ってもいいんだよ?

 

 

.

 

 

 

私達三人と先生は、あすらんとかがりさん二人を保健室において出てしまいました。

 

 

しばらくして………

 

『………り………』

 

聞き取りにくいあすらんの声がしたあと………

 

『うわぁ!!!』

 

というかがりさんの叫び声と………

 

 

さらにしばらくして………

 

 

『………痛そう………ですね、あすらん』

 

『………』

 

にこるのヒトコトで顔を赤くするあすらん。

 

『………かがり………唇、赤すぎだけど………どうかしたの?』

 

みりありあがきょとんとした顔で尋ねる。

 

『おやおや………あすらん………』

 

相変わらず黒ビキニのくるーぜ先生があすらんに尋ねる。

 

『そのほっぺたの手形と唇を冷やすのに………氷を用意しようか?』

 

 

保健室から出てきた二人に………何があったかわかりませんが………

 

 

愛………故に………

 

 

ほっとけませんでした

 

………我々もw

 

 

fin.
20100925-167『めんでるなこびとたち・夏のプール編』

 

 

 

 

【編集後記】

 

心が泣きたい方へのアスカガ
 

【fuzz connection】第四部
社会人パロ。学生時代から交際していた30代のアスランとカガリ。カガリの行いをきっかけにアスランとカガリは別れてしまう。
 

………Lost Paradise
本編沿い。SEED25話前後の内容。アスランの回顧録。
 

ガンダムSEED、SEEDDESTINY本編沿いのお話。
各シリーズをまとめたリンク集です。気になるお話は見つかるでしょうか。
 

 

変態らうるくるーぜ。

こんなの全く書いた記憶がなかったんだけど・・・

いや、どうなっているんだろうな、自分の頭ン中。

 

 

 

 

20180319ねじ

 

 


 

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