運命後,捏造,

Royal・Quartet

 

 

このお話は三部作のラストのお話です。

spring・bird⇒mimosa⇒Royal・Quartetの順に読んでいただくと流れがわかりやすいと思います。

SPRING・BIRD 【SPRING・BIRD】 ...
mimosa 【mimosa】 『カガリ...

 

 

 

【Royal・Quartet】

 

 

 

 

 

 

 

 

柔らかな唇の感触………

 

 

そう………

 

それは、いつも、朝………

 

 

俺を夢から覚ましてくれる………

 

あの………

 

 

………感触

 

 

.

 

 

 

『………アスランッ』

 

 

カガリに左脇腹をつつかれて我に変える。

 

『あ”………す……すみません……もう一度、質問内容を………』

俺は立ち上がっている記者に尋ねる。

 

『申し訳ありません………ザラ准将浮かれているみたいで………』

『!!!キラっ!!!余計なこと言うな!!!』

俺は言葉を挟んだキラに素で答えた。

 

記者会見場には再び笑いが走る。

 

 

………そうさ………

 

確かに、キラの言う通り………俺は浮かれているのかも知れない

 

 

.

 

 

 

眩しい程のカメラのフラッシュがたかれる中、ラクスの声が流れるように広がり………なんでプラントにいるはずの二人がここにいるのかがわかった。

 

 

『…私ラクス・クラインとアスラン・ザラの婚約破棄会見、並びに、私とキラ・ヤマト、・ユラ・アスハとアスラン・ザラとの共同婚約会見を発表させて戴きます…………』

 

 

………ただ………

 

 

事前に何も知らされてない俺は………

 

 

義兄弟となる親友

 

義姉妹となる元婚約者

 

妻となる現上司

 

三人三様の幸せそうな笑みを浮かべた中での、記者からのストロボの嵐………

 

 

俺は………

 

この瞬間

 

状況をつかむのに

 

 

………精一杯だった

 

 

.

 

 

 

『プラントと地球、何回かに渡り争いが起きましたが、それぞれの方々の出会いはいつだったのでしょうか?』

 

記者からのオキマリの質問が出て、俺達は顔を見合わせる。

 

カガリとラクスを中心に俺が右端、キラが左端に座る。

 

質問に対して、口を開いたのはラクスだった。

 

『皆様もご存知かと思いますが、私がヤマト国防委員長と初めて出会いましたのは、ユニウスセブンへの慰霊団として現地に向かった時ですわ。
地球軍の方々と意見が折り合わず、私のみ、脱出ポットに搭せられてしまいまして………
当時、偶然の重なりから地球連合のお手伝いをしていましたヤマト国防委員長に助けていただいたのです』

 

………俺………

 

あの時のラクスのノーマルスーツ………今でも衝撃的だったのを憶えているよ………

 

 

『いつから婚約は破棄に?
オーブで亡命なさっていらした時ですか?』

 

………君は………

 

俺がプラントに一時帰国した時には、キラのことが好きだったの?

 

………

 

 

.

 

 

 

『アスハ代表はザラ准将と初めてお会いしたのは、どちらだったのでしょうか?』

 

俺は思わずカガリに視線を向ける。

 

カガリも………俺に視線を返して………

 

 

………初めて会った時のこと………

 

 

言うべき?

 

 

俺はザフト軍で

 

君は連合のスカイグラスパーに乗ってて

 

 

………あまり

 

公に出来る内容では………

 

 

ない

 

 

『僕、二人がいつ知り合ったか聞いたことないんだよね………』

『『!!!!!』』

 

余計なこと………言うなよ……!!!

 

 

.

 

 

『僕と戦った後が………初め?』

 

記者会見のテーブルの端から、頭を出して問いかけてくるキラ。

 

『あ”……あぁ……そうだよな、
オーブ領海から離れた島で、連合として戦ったキラと、ザフトとしてアスランが戦って………両者機体を破壊。
アスランは海岸線で倒れていたので、我が軍で手当てをしたのだ!!!』

 

 

カガリは………焦りからか………頬を軽く染めながら一気に捲くし立てるように話し………

 

脚のついたグラスを手に取り、ストローをくわえて中の烏龍茶を吸い込む。

 

『アスハ代表ありがとうございました。
代表は、普段からファーストネームで呼びあっているんですね!!!
お伺いする手間が省けてしまいました!!!』

『!!!っ』

記者の一言に、カガリは大きく咳き込み、俺は彼女の背中を焦ってさする。

 

ラクスは口を手で押さえてクスクス笑い続けるのだった。

 

 

.

 

 

 

『ザラ准将にご質問しても宜しいでしょうか?』

 

『どうぞ………』

 

咳き込んでいたカガリも落ち着き、再びストローから烏龍茶を一口飲んでいた。

 

『木星探査の後、一度軍に戻られたのは存じておりますが………一年程、姿を拝見出来ませんでしたが………』

 

『………』

………なんて言えばいいんだ………

 

あの時の記憶なんて………

 

 

俺だって昨年ぐらいのことなのに断片でしかないのに………

 

『噂ではプラントの方で事故にあったと聞いていますが………』

 

『僕が身元保証人になりましたよ、ザラ准将の………
記者さん、すみません。
生死に関わる程の事故で………彼は当時の記憶が今も曖昧なのです。』

 

キラの穏やかな声が静まった会場に流れる。

 

 

俺は………今でも薄く傷跡の残る右腕を左手で握り締めた。

 

思い出そうとしても………

 

頭に浮かぶのは………

 

目の前に広がる

 

 

赤い霧

 

 

.

 

 

 

左太股に温かい感触が宿り、隣を見る。

 

カガリの黄金色の瞳が鈍く光り、考えなくていいと伝えてくる。

 

 

そう………

 

 

俺は………

 

………彼女がいるから

 

今も

 

 

生きている………

 

 

.

 

 

 

握り締めた右腕から左手が離され、私の手をアスランは握った。

 

 

………(君は過去の俺を見て、その延長に今の俺を見ている)………

 

ふと………頭を掠めるのはあの時の言葉。

 

私は………ありのままのアスランを見つめることで、あなたを取り戻したの………

 

 

………(君と………過去の俺の歴史)………

 

………(君が欲しいのはそこにいる俺)………

 

 

今も………ココロを打つアスランの言葉。

 

少し私よりも体温の低いアスランの手を、ぎゅっと握り返した。

 

 

………私と

 

一緒にいて

 

いつまでも………

 

 

あなたの唯一の家族として

 

 

.

 

 

 

………カガリさん………

 

 

机の下で握り合う二人の手を瞳の端で確認したラクスは、穏やかに話すキラの横顔を見つめる。

 

 

アスランの事故で、傷ついたのはキラも私も同じだった。

 

以前よりも、キラはしっかりして………頼もしくなっている。

 

 

あなたを好きになってよかった………

 

 

.

 

 

 

視線を感じたのか………キラが瞳を重ねてくる。

 

私は微笑み、キラの言葉の後に続ける。

 

『ザラ准将には………何度もプラントを助けて頂きました。
衛星の破壊やスペースダストの回収………
皆様の記憶に新しいクロムグラス………自然回帰主義者達の活動に関しても、早急に行動して下さり、プラント、並びに地球………大きな被害にならずに済みました………』

 

 

耳に蘇るのは………

 

アスランの震える声………

 

一定の………

 

途切れない電子音が響き………

 

生かすための呼吸音にとって変えられたあの時………

 

 

儀式のように震える声で、アスランは少女の死亡を伝える。

 

 

………(2月14日0824……確認……カガリ・ユラ・アスハ……キラ・ヤマト……ラクス・クライン………アスラン・ザラ………)………

 

軍人として………何人も殺してきたアスランなのに………

 

 

声を押し殺して泣く姿に、あなたの家族と共に過ごした時間を重ねずにはいられませんでした………。

 

 

.

 

 

 

ラクスの声を聞きながら、僕は椅子に座り直すふりをして………

 

奥のアスランとカガリをチラッと見る。

 

 

………(コーディネーターのお前がどうしてナチュラルの味方をするんだ!!!)………

 

戦場で出会った君はそう言ってたね。

 

その君が………

 

 

ナチュラルの姉を妻にする。

 

 

アスラン………

 

僕は君が親友で良かった

 

 

こんなこと………

 

言わなくても

 

 

君は笑ってうなずいてくれるよね

 

 

アスラン

 

 

.

 

 

 

『婚約指輪を見せていただけませんか?』

 

 

………こんや……く……

 

記者の言葉に俺は焦る。

 

キラとラクス、カガリの策略で婚約会見に列席している俺は、そんなものの準備なんて全くしてない。

 

 

『………カガリ……俺……』

小声で話しかけようとすると、キラの声がマイクを通す。

 

『………すごく楽しみにされている方も多いとは思いますが、僕は今日、用意出来てなくて………』

 

『メイン写真に、記者の方々は使いたかったでしょうけど………ごめんなさい』

 

ラクスの声が続く。

 

俺も………記者に謝らなきゃ……

 

マイクに手を伸ばそうとする。

 

『あ………でも、ザラ准将は送ってますよ』

 

 

.

 

 

 

『!!!なっ!!!キラ!!!??』

 

俺は焦ってキラとラクスに向き直る。

 

『あの指輪は………』

 

『おもちゃの指輪じゃないよね!!!
一応プラチナだし!!!』

 

ニヤニヤ笑いながら言うキラ。

 

『カガリさんも………ずっと大事にしてますもの………ね』

 

ラクスも笑って言葉を繋ぐ。

 

『あれとは別に………婚約指輪は………』

しどろもどろに話す俺の腕に、カガリは抱きつき、記者に左手を披露する。

 

『私の………大事な指輪です!!!』

 

 

赤い石が………

 

記者の激しいストロボを受けて、きらきらと輝いた………

 

 

.

 

 

 

『カガリ………』

そんな………何年も前に渡した指輪なのに………

 

俺は額に手を置いて空を仰ぐ。

 

 

『ザラ准将。いつお渡しになったんですか?』

 

『………いつって………』

俺は生唾を飲み込む。

 

『代表の結婚式騒動の前に………渡したんだよね?アスラン?』

 

『!!!!!』

 

横からさらっとキラは話して行き………

 

 

俺は自分の顔が赤くなるのがわかった。

 

 

.

 

 

 

朝焼けの空の下、俺はベランダで携帯のダイヤルボタンを押す。

 

 

三時には………抱きつくしたカガリを寝かせたけれども………

 

婚約指輪が頭から離れなくて………

 

 

寝る気にならなかった。

 

 

ダイヤル音が暫く聞こえて………

 

『………ん……あすらん?』

 

『ごめん……寝入ってたところ………起こした?』

 

 

.

 

 

 

『ん………ちょっと待って………ラクスが起きちゃうから………』

 

ごそごそ音が聞こえるのを耳で受けとめながら、俺は徹夜でしょぼつく瞳を明るくなりかけている空に向ける。

 

朝の冷たい空気を、胸いっぱいに吸い込む。

 

ゆっくり吐き出しながら、少し後悔する。

 

 

仕事に復帰して………前と同じ自分………いや………それ以上になることばかり考えていた。

 

カガリとの生活………そっちに関しては、気遣ってなかった

 

昔は………そこまでないがしろにしてなかったのに………な

 

 

『お待たせ、アスラン……』

 

『………いやに声が響くけど………』

 

『バスルームだからでしょ?』

 

キラの声の後ろで、水のこぼれ落ちる音が聞こえる。

 

 

.

 

 

 

『指輪………どうする?』

 

アスランの直球に僕は顔を緩ませる。

 

『ラクスとのんびり考えようかとも思っていたんだけどね………アスランは?』

 

『………迷っている』

 

ため息をつく声が耳に入り、僕は笑ってしまう。

 

『デザインするの?アスラン?』

 

 

.

 

 

 

………デザインったって

 

 

返事に困っていると、キラから言葉が投げられる。

 

『デザインするなら、二つ作ってくれない?』

 

昇る太陽の光が、眩しくて………俺は瞳を伏せる。

 

 

『………ラクス……のもか?』

 

『うん。
カガリと一緒のものなら………絶対喜ぶから………あ……』

 

『?キラ?』

 

受話器からはラクスの声がかすかに聞こえてきて………

 

『あ……ダメだって……らく………』

 

 

キラの抵抗にならない声と共に、携帯電話は不通になった。

 

 

.

 

 

 

『おはようございます、シモンズ主任』

 

『おはよう、あなたの結婚生活が丸見えの会見、楽しかったわよ、アスラン』

 

『………言わないで下さい』

 

俺は大きく息を吐き出して………尋ねる。

 

『国内の貴金属会社から………いっぱい連絡きていますよね?』

 

『いい勘してるわね………そっちのPCにまとめてあるわよ』

笑って………マグカップのコーヒーを啜る彼女に、準備済の彼女の手際よさに脱帽する。

 

『業者呼んで打ち合わせするなら………C-130会議室、使っていいわよ』

はい、鍵!!!

 

 

投げて寄越された鍵を受け取り、俺は笑って頷いた。

 

 

.

 

 

 

半年後

 

『………指輪のお返しにMSはいらないからな………ラクス』

 

『あらぁ………残念ですわ……後はリボンつけるだけなのに………ね!!!カガリさん!!!』

 

本気とも取れないラクスの返事に、カガリは笑って返す。

 

 

5月の………二人の誕生日になんとか間に合わせた婚約指輪。

 

白のボックスをキラに渡す。

 

微笑んで受け取った親友は、箱を開けて中の指輪を取出し、彼女の指に不器用にはめていく。

 

『これからもよろしく……ラクス』

 

『はい……キラ……』

 

キラのキスをラクスは額に、頬に受ける。

 

 

『ね………アスラン』

 

肩を抱いていたカガリが視線を向ける。

 

『何?』

 

顔を向けると両頬は彼女の手のひらに押さえられる。

 

右頬に………ぬるくなった貴金属の感触が走る。

 

『キス………していい?』

 

『ん………』

 

 

彼女と出会った、あの時から変わらない太陽の下………

 

プリズムのように煌めく彼女への婚約指輪………

 

 

僕らはいつまでも………

 

このカルテットで

 

 

終わらない明日を

 

 

紡いでいくんだ

 

 

fin.

 

 

 

 

 

 

 

 ストレートラインの指輪がネットで購入できる 

 

【編集後記】

 

main(サイト内分類目次っぽいもの) こちらはガンヲタnejiがお届けする簡単節約とヲタク生活をすすめるサイトとなります。 メインで更新を行うページは呼吸するよ...

 

ねじの種運命の捏造お話はここでおしまい。

自分の中ではアスランもカガリもヒーローとヒロイン。

だからいつまでも恋する二人でいたいし、自分も恋していたいんですね。

だから、結婚式直前までのお話しか書きたくないです。

 

 

社会人パロでは書いたことがありますが・・・

なんかその後もしっくりこなくて。

 

これからもお話は書くかもしれませんが、結婚式後のお話にはならないと思います。

 

 

今まで毎日更新してきましたが、ここでいったんおしまいになります。

毎日、わざわざ読みに来ていただきましてありがとうございます。

 

そして、今後は不定期更新になりますが、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

20180313ねじ

 

 

【追記】

 

①役職とか、ツッコミどころ満載ですが・・・

ラクスがザフト艦艦長と婚約とか、ちょっと考えずらいところがあり・・・

キラがプラントに行って数年後の話だから結構な役職に就かせちゃいました。

 

②実は・・・すっかり忘れていましたが、アスランとカガリの子供がいる話、書いていました・・・

全く忘れていました。

https://ath.tokyo/blog/lovers-of-the-oracle-constellation-christmas-ver/

 

 

 

このお話は三部作のラストのお話です。

spring・bird⇒mimosa⇒Royal・Quartetの順に読んでいただくと流れがわかりやすいと思います。

SPRING・BIRD 【SPRING・BIRD】 ...
mimosa 【mimosa】 『カガリ...

 

 

 

 

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