アスカガ感謝祭

magic flavor

 

 

 

 

 

【magic flavor】

 

 

 

 

 

………これ、あげるよ

 

………何?これ………ウエハース?

 

………いや………

 

ポーカーフェイスで私に渡してきたお菓子に書かれている文字は【magic flavor】
彼は翠の瞳をやや細めながら、はにかむように口をゆがめた。

 

………激甘クラッカー………
新聞配達のバイトでおばさんからもらったんだ。
疲れているときにはおいしく感じるけど………

 

ポケットをごそごそする彼は、もうひとつ同じパッケージのお菓子を取り出した。

 

………さすがに二つは食べれなくて………
だから、受験勉強でお疲れのカガリに

………お前だって受験勉強してるじゃないか
なのに、まだバイトもしてるのかよ
………余裕………あるんだな

………余裕なんてないよ

 

肩をすくめて笑い、magic flavorの袋を開けるアスラン。
袋から白いクラッカーが見えてきて、彼はそれを口元に運んだ。
クラッカーの端くわえ、私の腰に手をまわしてきて………

 

煌く翠の瞳が、何を訴えてきているのか………

 

 

理解するのは簡単だった。
私はアスランと唇を交わした………
magic flavorの甘い味とともに

 

 

それが
高校三年生の夏だった。

 

 

.

 

 

 

携帯電話も肌身離さず持ち歩いていた。

 

連絡をとることなんて簡単だった。

 

だから、アスランが地元の大学に進学しなくても、私は気にしなかった。

 

 

 

顔が見たかったらテレビ電話すればいいじゃん!!

PCの前に座って、夜明けまで笑っていればいいじゃん!!

 

 

 

お互いの夢を叶えるのに切磋琢磨していた。
お互いライバルだったのかもしれない。
遠距離恋愛でいいと思っていた。

 

だから、こんな将来が待っているとは思わなかった………

 

 

 

メールしてもすぐには返ってこなくなった。
私も徹夜でレポートを書いていて返事した気になっていた。
PCの前で、課題やりながら電話するときもあったっけ?
うわのそらの会話を繰り返し………最後に不貞腐れて電話切ったのはどっちだったっけ?

 

 

………そんな関係を繰り返して3年目には………

 

私は携帯電話を水没してしまい、アスランの携帯電話番号、携帯メールアドレスをなくしてしまった。

 

………彼氏………だったはずなのに………

 

メールを待つことも悲しくなるので、私はそのまま連絡先を失ったままにした。

 

.

 

 

2年後。
私は地元企業に就職した。
そして、数年………

 

、部長が呼んでるわよ』

 

赤い髪を揺らしながら、話しかけてきたフレイに私は眉をひそめた。
呼ばれるようなコト、したかしら?

 

『私に変顔向けないでよ。鼻歌うたってないから、イイハナシではなさそうだけど………』

 

私は仕方なく、手帳にシャーペンを挟んで席を立ちあがった。

 

 

『クルーゼ部長、お呼びですか?』

『あぁ…アスハ。そこで話そうか』

そこ………ガラスのパーテーションに囲まれたミーティング室を指しているのか………

先に入室して椅子に座る。
手帳を広げ、待っている間の時間つぶしに来週の仕事予定を確認していた。
扉が開き、手ぶらで入ってくる部長。
席に座り………両肘をデスクについた。

 

………うっ
いつものお小言体制だ………

 

ちょっと、胃が………
あとでフレイから胃薬もらお………

 

 

『あのな、アスハ………』

 

フレイから絶対………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おかえりカガリ………』

隣の席のフレイは、いつもの私の行動を読んでいてくれて………
胃薬を人差し指と中指に挟んでひらひらさせていた。
………胃薬………な、状況じゃない

『あんた、顔真っ白よ?どうしたのよ?』

『………あのさ、フレイ』

 

 

.

 

 

 

………空が狭いと思った………

………くすんでいるとも………思った………

 

 

初めての独り暮らしが始まった。
私は部署の立派な送別会を受け、単身赴任先に旅立った。
これなら、毎日クルーゼ部長からの小言を聞いているほうがマシだったかもしれない。

こちらは夜、買い物する余裕がないほどに忙しい。
休みの日にウインドウショッピングする気力もない。
………そんな慌しい日が続き………

 

 

『お前、まだ仕事するのか?』

『………ジュールさん』

『………イザークでいい。同期なんだし』

軽く口をとがらせながら、彼は椅子に座る私の隣に立った。

『これをやる』

 

ノートPCの隣に置かれたお菓子。
見覚えのあるパッケージ………

 

『懐かしいな………magic flavor!!』

『………!!!お前、知っているのか!!!』

『うん………受験勉強していたときな、たまに…食べていたんだ』

『ふん』

『イザーク………これ、好きなのか?』

『タバコ吸いに行ったときにもらったんだ、まだ頑張るならどうぞ………って』

『へぇ………気前いい女のヒトですね』

『………ま………気前はいいかもな…でも』

自席に戻りながら、イザークは話した。

『女じゃなくて野郎だ』

 

 

.

 

 

 

 

週に何回か終電近くまでなる。
早く帰りたくて、夜20時以降からはトイレにしか席をたたない私に、同僚は帰り際にいろいろお菓子を置いて行った。
もらってばかりではすまなくて、私も大袋のクッキーとかを持ってきて、物々交換して不思議な交流を楽しんだ。

 

『ほら、またもらったから………』

 

イザークは私に決まってmagic flavorを渡してきた。
どうやら甘すぎてそれは苦手らしい。
処分に困るので私に渡しているのが見え見えだった。

 

『イザーク………』

 

私は引き出しからクッキーを取り出した。

 

『いつももらって悪いから、そのヒトに渡してよ』

『気にするな。俺がもらっているんだから』

『でも………なんか………』

『それなら、自分で渡して来ればいいじゃないか、二つ上の喫煙ルームだ』

『………二つ……上?』

『……このフロアの喫煙所は役職連中のたまり場だし、その上は寒くて居心地悪いんだよ』

 

コートを着ながら、イザークは唇を三日月にした。

 

『業務委託がわんさかいる二つ上のフロアが一番居心地いいんだよ、やつはそこにいる。
今回もプログラムリリースリーダーやっているから………たぶん今日も泊りでいるんじゃないか?』

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………気が付かなかった自分が

 

 

 

 

バカ

 

 

 

だった

 

 

 

 

.

 

 

 

扉をノックした。
コートの中に………クッキーを幾つか詰めて………

 

『………はい』

 

返ってきた返事………

聞き覚えがあった。

ドアノブにかけた手が震えた。

ひねることができなかった。

 

私の力ではなく、他の力でドアノブが回り………

 

 

引かれたドアの向こう。
ヒトが立っていた。
うつむいた視線の先に、ダークブラウンに磨かれた革靴のつま先が見えた。
固まってしまった私に、頭上から声がかかった。

 

 

『………どうして君が』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何年ぶりに聞いたのだろう?

懐かしさの反面………

 

『久々に逢ってそれかよ!!』

 

私は、ダメ人間だ。
ココロが小さい。
嫌………

 

 

………素直になれない………

 

.

 

 

自分のフロアのトイレに駆け込んだ。
個室に閉じこもり、音姫が鳴る中、私は嗚咽した。

 

………なんで………あんなこと言っちゃったの………

 

 

私たちは自然消滅したんじゃないか………

 

もう、あれから7年は経っているんだぞ?
今更、恨み事のようにアスランに当たってもしょうがないじゃないか?

だいたい………

あいつはなんでこんな会社にいるんだ?

あいつは薬科大にいったんじゃないのか?

まぁ………PCはオタクと言っていいほど、高校の時からはまっていたけど………

なんで情報システム卒の私の会社に………

 

 

………それも派遣?
業務委託って………うちの会社に出向しているのか?

 

 

しばらく泣いて………気分が落ち着いた。
手を洗い、乾燥機で手をかわかし、私はトイレから出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………聞いてはいたけど………ニコルから』

 

!!!いつからそこに!!!

.

 

 

縦縞のスーツからは染み着いたタバコの香りがした。
ポケットに手を突っ込んで、トイレの壁に寄り掛かるアスランは、どこか別のヒトのような気がした。
私は、彼の出す少し威圧的な雰囲気に………逃げ出すことは出来なかった。

 

『………地元企業に就職して………元気に働いているって聞いてたけど』

『………転勤だ』

『………そっか』

 

藍色の髪が揺れ、こちらを振り向いた。
懐かしい翠の瞳が細められ、柔らかく揺らめいた。

 

『………俺もそんなもんさ』

 

はにかむような苦笑………
あの頃と変わらない表情は、成人した男の表情を幼くさせた。

 

……薬科大行って、さらに大学院に進学して………
あぁ、もちろん免許もとったさ
でも、理想の仕事にはつけなくてさ。
MRは俺、口下手だからできないし………
履歴書、できることを羅列してだしたら、今の会社に就職できたんだけど………

 

『………投入されたのが新規プロジェクト。
新たなMR用事業始めるのにPCプログラム作成しなくちゃいけなくて………』

『………あ』

 

………そういえば、入社後研修でそんな話があった………ような…

 

『新人なのに、ここに飛ばされちゃったんだよね』

 

そう………いいながら、寄り掛かっていた壁からアスランは離れた。

 

『………カガリ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だめだ

 

そんな声で私を呼ばないで!!

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

止めたはずの涙は、また

 

 

こぼれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を抱きしめる力は強かった。

 

『………連絡しないでゴメン』

 

囁かれると、再び涙が出た。

 

『ようやく逢えたから一緒に帰りたいけど………』

 

 

.

 

 

翌日

『ひどい顔だな………お前、帰ったんだよな?』

『あぁ………帰ったことは帰りましたよ』

 

私は、【全く寝れませんでした】という言葉は飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

昨晩再会したアスラン。
自分は今日は夜勤なんだ………と、囁くと同時に私のおでこに口付た。

 

『!!!っちょ!!!な…ん!!!』

 

少しかさついた唇が私のに触れ、問答無用に襲ってきた。
感じたことのない………タバコの味が………
彼の舌先から私の口に溶けていった………

 

『明日は残業しないで定時であがって?』

 

再びおでこに落とされたアスランの唇。

 

『………なんでだよ?お前、もうその頃には家帰って寝てるだろ?』

『………うん』

 

ひどく嬉しそうな微笑みを浮かべ、彼は口を開いた。

 

『君を抱きしめて寝たい。君が定時で上がるまで、俺………仕事して待ってるよ』

『………へ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………どういう意味かはさすがに分かった。
だから………

 

全く寝つけなかった

 

『………くそ』

PCを立ち上げ、私はメールフォルダを開いた。

 

 

【ちゃんと定時で今日は帰るんだからな】

 

うげ………しゃないめーる………

へ……へんじ………するの?

 

 

【了解しました。宜しくお願いします。】

 

………な………なんかちがうきもするけど………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝れないで考えた結果でたことはヒトツだった。
私はまだ

 

アスランが好きなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………お待たせ』

『………遅いぞ、。その………』

『………誘った割に遅くなって悪かった』

 

コートの襟口を止めながら、彼はにやっと笑った。

 

『【了解しました。宜しくお願いします。】って、どういう意味?』

 

 

 

………ばか
口に出さなくてもいいだろ
………バカ!!!

20120308-262【magic flavor】fin.

 

 

 

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仕事を早く終わらせて自分の時間を作りたい。あなたは何度も考えていませんか?

 

自宅で学べるオンラインのプログラミングスクールのお申込み【TechAcademy】

自分もですが、会社の仕事の半分は事務作業です。
今の会社に転職してもう5年は経過しているわけですが、入社した当時はホント、パワータスクばっかりでした。
エクセルにもマクロなどのプログラミングがされているようなものはなく、関数が入っている仕組みもない。

まぁ、データ入力をしている方々もあと数年したら定年退職を控えている方々が多いということもあり、昭和風味な作業で間に合っていたのかもしれないですね。

しかし、これから少子化に向かう将来。
こんなパワータスクばかりしていたら、仕事の効率が悪いですよね。
ましてやこれらのプログラムを外注に出して仕組みを作らせたいと考えても、なかなか会社側としても決済を下すのに時間がかかる。

では、自分で学んでそのアウトプット場所として会社業務にしてみればいいので自宅で学んでみませんか?
自宅で学べるオンラインのプログラミングスクール【TechAcademy】ではこんなに種類が学べるのです。

・Webアプリケーションコース(Ruby on Rails)
・PHP/Laravelコース
・Pythonコース
・フロントエンドコース
・WordPressコース
・iPhoneアプリコース
・Androidアプリコース
・Unityコース
・はじめてのプログラミングコース
・Webデザインコース
・UI/UXデザインコース
・Webディレクションコース
・Webマーケティングコース
・Javaコース
・ブロックチェーンコース
・Node.jsコース
・Scalaコース
・AIコース

こんなに学べる・・とはいえ、どのコースなのかわかりませんよね、専門的なシステムの名前が並んでいますから。
そんな方にははじめてのプログラミングコースで自分がどんなことを行いたいのか相談し、基礎を学ぶこともよいでしょう。
Webデザインコースの方が興味があるならば、こちらを学んでから徐々にプログラミングを学んでいくことも良いですね。

自宅で学べるオンラインのプログラミングスクール【TechAcademy】で学ぶメリットをお伝えしますね。

・自宅にいながらオンライン完結で勉強できる

自分の使い慣れたパソコンで学べるということが大きなメリットですよね。
パソコン教室に行って習うのも一つの手段かもしれませんが、出かけるというデメリットと、使い慣れないパソコンで学ぶということもデメリットがありますよね。

・受講生に1人ずつ現役のプロのパーソナルメンターがつく

これってマンツーマンってやつですよね!?
ひとりの講師に対して数人の受講生という教室だと、他の方の作業が気になってしまい自分が納得するまで理解できないこともあります。
自分のペースで作業ができますし、質問ができるということはいいことですよね。

・チャットで質問すればすぐに回答が返ってくる

実は自分もこの自宅で学べるオンラインのプログラミングスクール【TechAcademy】で体験学習を行いました。
スカイプがうまくつながらなくて、全てチャット形式で講習を受けました。
その時はこのWordPressでブログサイトを作りたかったので、どの本を教科書として使うのがよいのかを相談しました。
現在、このブログサイトはWordPressの有料テーマを購入して作成していますが、細かなチューニングはやはりプログラムをわかっていた方が特ですし、作業が早いです。
いくらネットでプログラムを取得しても、どこにそのプログラムを挿入すればよいのかもわかっていないと困りますよね。
また、そのあと自分の想定している通りにプログラムが動いているのか確認したとき、エラーとなって表示ができていなかったら修正作業が必要になります。

・オリジナルサービスやオリジナルアプリなどの開発までサポート

小学校の授業でタブレットを使った学習を行うことがすでに始まっています。
ブロックのようになっているプログラムパーツを組わせることにより、簡易プログラムから難易度の高い複雑なプログラムを作ることが可能です。
小学生の子供の習い事の一環として、外に学びに行かせるのも必要なことかとも思いますが、自宅学習ならば、忙しい子供にも学ばせる楽しさがありますよね。

しかも、無料体験レッスンが受けることができます。TechAcademyの無料体験を受講して、自分が続けられそうならば受講の継続を申請すればよいのです。
私も無料体験レッスンを受講してから学ぶことにしました。

 

【編集後記】

 

あわせて読みたい
main(サイト内分類目次っぽいもの) こちらはガンヲタnejiがお届けする簡単節約とヲタク生活をすすめるサイトとなります。 メインで更新を行うページは呼吸するよ...

 

magic flavorっていうウエハース系のお菓子があって。

当時それから妄想しました。

最近みかけないなmagic flavor。

 

 

20180330ねじ

 

 

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